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Attention,please!「アテンション・エコノミー」の時代へ。
Attention,please!「アテンション・エコノミー」の時代へ。
ボブの目下の悩みは、充分なアテンション(関心)を払えないということです。ボストンに拠点をおく、オンライン学習ネットワーク社の上級副社長として、1日のほとんどを仕事と家庭の用事に費やしているせいで、趣味の時間など取ることもできません。「趣味」という言葉は、もはや彼にとっては死語となりつつあります。自宅では、妻や娘たちと過ごすために時間を捧げますが、それでも定期的にボイス・メールや電子メールをチェックせずにはいられなくなっています。

職場では、アテンション不足が手に取るようにわかっています。ソフトウェア開発者やコンテンツ担当者など、約35名の社員がボブのもとで働いており、その全員が彼のアテンションを必要としているのです。部下や同僚は、彼がトイレに行くのを待ち伏せすることもしばしばで、やむを得ず、カフェテリアで並んでいるときにミーティングすることすらあります。
彼のオフィスは評判の高いレストランに囲まれていますが、そこで食事をする時間などはほとんどありません。1日の大半をミーティングに費やし、その合間に電子メールやボイス・メールに返答しています。通常のメールでは充分なアテンションが得られないため、インスタント・メッセージに頼ることも多くなりました。通勤時間でさえ、携帯電話やボイス・メールでの連絡にかかりきりの状態です。天気のいい日には、わざとオープンカーの幌をはずして、風の音で長く話すことができないようにすることすらあります。

注意力の欠如
情報攻撃がなかなか止まないため、ボブは自分の注意力欠如を心配し始めています。家族に対して十分なアテンションを払っているであろうか?マネージャーとして、報告にくる社員にもっとアテンションを払うべきではないか?時間をかけて情報を消化できていないので、ビジネスに重要なことを見落としてはいないだろうか? こうした懸念はなかなか解消されず、彼はどのように対処すべきか途方に暮れてしまいます。自由に使えるアテンションが、大量に手に入るようなことは今のところなさそうです。

このような状況に覚えがあるのは、彼だけではないはずです。それは上司だったり、隣人だったり、配偶者だったり、もしかするとあなた自身かもしれません。彼の体験談は、今日最も解決が急がれる問題を浮き彫りにしています。それは、ビジネスや社会からの情報要求に対して、十分なアテンションが払えない、ということです。

アテンション・エコノミーに突入
ボブだけでなく、誰もがアテンション・エコノミーの中に生きています。ここでは、資本、労働力、情報、知識はすべて十分供給されており、ビジネスの立ち上げ、顧客やマーケットの獲得、戦略の開発、Webサイトの開設、広告や宣伝ツールをデザインするのも簡単です。十分供給されていないのは、人のアテンションだけなのです。電気通信のデータ転送量は問題ではありませんが、人のデータ転送量には問題がありそうです。 かつて、ある大手ソフトウェア会社は「情報をいつでもすぐに入手」という壮大な構想を抱いていました。いまやそれは現実のものとなり、莫大な量の情報が送られてきます。しかし、その情報に専念するためのアテンションがなければ、その情報によって得るものや学ぶものはなく、行動を起こすことができません。残念ながら、ほとんどの組織は、貴重なアテンションを余分には持っていないのです。このようなことから、私たちはアテンション・マネジメントの主要な原則にたどり着きました。

アクセンチュアの研究員であるThomas DavenportとJohn Beck共著の新刊、『The Attention Economy: Understanding the New Currencyof Business』では、こうしたことを冒頭で述べています。

“アメリカのオフィスでは、年間に無数の文書が配布され、インターネット回線の利用も100日ごとに倍増しています。マネージャーのデスクトップには、毎日200通ものメッセージが届いています。ようこそ「アテンション・エコノミー」へ。ここで最も欠けているリソースはアイデアや才能ではなく、人々のアテンション(関心)そのものなのです。”

この画期的な本は「職場を麻痺させかねないくらいに危険なレベルに達している、重度の注意力欠如を克服できなければ、今日のビジネスは大問題を抱えることになる」と主張し、ビジネスマンにとって、アテンションの二つの側面が課題になっていると説明しています。つまり、社員、消費者、株主など情報が殺到する人々のアテンションを得てそれを維持することと、圧倒的な数の選択肢に直面しながらも自分自身のアテンションをきちんと配分することです。この不可欠かつ有限なリソースのマネジメントができなければ、取り返しのつかないことになってしまいます。

著者は、注目すべき研究結果をもとに、アテンション・マネジメントの四つのポイントを次のように概説しています。

(1)アテンションの測定と配分
(2)その心理的な特質の理解と活用
(3)新しい能率化テクノロジーの修得
(4)広告業など従来のアテンション業界が学んできた教訓の適用

これらのポイントをもとに、eコマース、組織のリーダーシップ、情報および知識のマネジメント、戦略といった重要なビジネス活動を、違った観点から検証しています。企業は、アテンション・マネジメントを実行することで、社員の士気を高めて優秀な人材を確保し、社員の過労を軽減し、ウェブ上で顧客の信頼を得て、製品やサービスをより効果的に販売し、投資家やアナリストに好印象を与えることが可能になります。

この本にご興味のある方は、こちら(英語サイト)へアクセスください。

アテンションは、個人や組織にとってますます不足しているリソースですが、今後の私たちに何が起こるのか、この本からダイレクトに伝わってくるでしょう。

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